太陽光発電のしくみ
太陽光発電は、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変える発電方式です。
石油や石炭、天然ガスなど化石燃料の消費を減らし、二酸化炭素(CO2)の発生を抑えることができる環境にやさしい発電システムです。
再生可能エネルギーの1つである太陽光発電は地球温暖化を防止する有効な手段と言われています。
太陽光発電について
太陽電池とは
太陽電池とは、太陽の光エネルギーを直接電気に変換する装置です。構成単位には「セル」「モジュール(パネル)」「アレイ」と呼ばれるものがあります。
「電池」という名称ですが、二次電池(乾電池)のように電気を貯める機能はありません。
■セル
・太陽電池の構成での最小単位で、太陽電池素子そのものです。
■モジュール(パネル)
・セルを必要数配列し、強化ガラスや樹脂などで板状に強化したものです。
■アレイ
・複数枚のモジュール(パネル)を直列または並列に並べ接続したものです。
広大な土地に膨大な太陽電池を設置した1MW(メガワット)以上の太陽光発電設備は「メガソーラー」と呼ばれています。
太陽電池の種類
太陽電池には、使われる原材料や製法により、シリコン系、化合物系、有機系など様々な種類があります。シリコンなどの半導体で構成されたシリコン系太陽電池は、現在最も多く流通しています。
発電する仕組み
太陽電池※シリコン系の太陽電池の場合。
は電気的な性質が異なるn型とp型の半導体を重ね合わせた構造になっています。太陽電池に太陽の光が当たると、「電子」と呼ばれるマイナスの粒子と「正孔」と呼ばれるプラスの粒子が生まれ、「電子」はn型シリコンへ、「正孔」はp型シリコンへ集まることで電気が起きます。この現象は、「光電効果(こうでんこうか)」と呼ばれ、それぞれの電極に電球やモーターなどの負荷をつなぐと電流が流れる仕組みとなっています。
光エネルギーが当たり続ける限り、電気は発生し続けます。
太陽光発電のシステム構成
太陽電池モジュールで太陽の光を受けて電気エネルギー(直流電力)を発生させます。その発生させた直流電力を接続箱でまとめ、パワーコンディショナ(PCS)で交流電力に変換するのが太陽光発電の基本的なシステムです。
一般的に10kW(単相)未満のシステムを「家庭用」、10kW(三相)以上のシステムを「産業用」と位置付けられております。システム自体の構成は、発電した電力の利用用途により異なります。
系統連系システム
余剰買取型(逆潮流あり)
発電した電力を建物などの負荷で消費します。もしも、発電電力が負荷の消費電力を上回った場合、余った発電電力を電力系統へ逆潮流して電気を買い取ってもらうシステムです。
系統連系している太陽光発電システムから、電力会社の配電線(商用系統)へ電力が流れることをいいます。
全量買取型(逆潮流あり)
発電した電力を建物などの負荷に利用せず、全ての電力を電力系統へ逆潮流して買い取ってもらうシステムです。最近では、地域や設備容量により電力会社のルールに則ったPCSの出力制御機能が必要となります。
※再生可能エネルギーの固定買取価格制度に則って売電価格(買取単価)が決定します。また、設置容量や時期により売電価格(買取単価)は異なります。自家消費型(逆潮流なし)
発電した電力は電力会社に売らず、そのまま負荷に利用するシステムです。
発電電力より消費電力の方が常に多い設備や消費電力を考慮して発電電力を出力制御する設備に用います。電力会社との契約が逆潮流なしの場合は、逆潮流を防止するための保護継電器(RPR)の設置が必要となります。
平成24年に開始された再生可能エネルギーの固定買取価格制度は、当時の売電価格(買取単価)が1kWあたり40円(税抜)と投資としてのメリットも高い制度でした。
平成29年現在では1kWあたり21円(税抜)※と年々減少しており、逆に再生可能エネルギー賦課金が年々高騰している影響から、安く電気を作ることで電気代の削減も期待できる自家消費型システムに注目が集まっています。
※対象設備は10kW以上2MW未満。
自家消費型システムについて
系統切替システム
主に防災用として導入されることが多いシステムです。停電などによる非常時に系統側と切り離し、特定負荷に発電した電力を供給することができます。蓄電池と連携することで、安定した電力供給が行えます。
系統連系している一般的な太陽光発電システムでは、災害などによって商用電源側が停電した場合、太陽光発電システムも自動で停止されます。そのため、系統切替システムでは、自立運転機能を搭載したパワーコンディショナが必要になります。
独立電源システム
電力系統と完全に切り離した電源システムです。主に太陽電池で発電した電力を蓄電池に貯め、雨天や夜間などの発電がない時に、特定の用途に対して必要な電気を使用することができます。主に離島や山小屋などの電気が来ない場所で利用されますが、近年は災害時の非常用電源などの目的でも注目されています。
導入のメリットとデメリット
メリット
エネルギー源が無尽蔵
太陽光発電の最大の長所は、エネルギー源が無限に降り注ぐ太陽の光で、石油や石炭などの化石燃料を使用せずに発電できることです。
環境にやさしい
太陽光発電は発電時に、地球温暖化となる二酸化炭素(CO2)などの大気汚染物質を排出しません。
設置場所を選ばず、導入しやすい
太陽光発電は、騒音や有害物質の排出の心配ありませんので、一般家庭やビルの屋上・壁面から大規模な野立てなど、様々な場所に合ったシステムを設置することができます。
CSRの評価の向上
太陽光発電でクリーンなエネルギーを供給しているため、地球温暖化に対する取り組みが企業評価を高めることができます。
※全量買取型以外のシステムの場合。
デメリット
発電量が天候に左右される
日射(太陽の光)が不足する時間帯は発電できないため、雨や夜間など天候に左右され、常に安定した発電電力の供給が難しいです。
コストが高い
導入時に多額の費用がかかります。一昔前までは太陽光発電はメンテナンスフリーと言われていましたが、普及した現在では落雷・積雪などによる機器故障やパネルの破損・汚れで発電量が低下しているため、日々の運用保守を考慮したメンテナンス費も必要になります。
投資回収までが長い
導入コストが高いため、投資額の100%の回収を見込む場合、長い年月がかかります。
太陽光発電の管理
発電データの計測・蓄積
発電設備にデータ計測機器を設置することにより、発電データやパワーコンディショナの稼働状態を計測・蓄積できます。異常が発生した場合でも、管理者はデータ計測機器を利用して状況を確認することができます。
蓄積した過去のデータは、日射の影響を受けやすい太陽光発電の発電量の分析やレポート作成も可能です。また、発電量が予測できれば、将来の発電所増設や新設の事業計画などの参考にもなります。
当社のデータ計測機器は、案件の規模や仕様に合わせたラインナップをご用意しております。発電データ以外にも蓄電池の充放電の計測やパルス信号を用いた電力量の計測、パネルの裏面の温度測定、マルチメーターを利用した消費電力の計測なども行うことができます。
遠隔地からの監視
発電機会を損失しないために、機器の故障や不具合を早期発見することがとても重要です。そのため、異常時のメール通知や、現場の稼動状態をいつでもどこでも監視できるツールが必要になります。
全量買取型の発電設備は、現場に人が常駐できないことも多く、遠隔監視のシステムを導入する設備は年々増加の傾向にあります。また、2017年4月のFIT法改定により、新たな方針の1つとして「適切な保守管理・維持管理を行うこと」という項目が設けられ、今後は発電設備の保守管理やメンテンスという面が更に重視されます。
当社は監視・管理目的に合わせ、お客様に最適なWebサービスをご提供しております。
1ヶ所の発電設備を詳細に監視できるサービスの他、複数の発電設備を一括管理できるサービスもご用意しております。運用・保守に必要な情報がリアルタイムかつ正確に把握できるため、効率的なメンテナンスに役立ちます。
発電の見える化・PR
太陽光発電システムを導入した場合、計測したデータを大型ディスプレイで見える化することで、設備の導入や発電状況などをPRすることができます。企業であればイメージの向上に、教育施設であれば啓発効果につながります。
当社では、データ計測機器で測定したデータを利用し、来客者や関係者向けに大型ディスプレイで発電状況をPRすることができます。太陽光発電の説明画面や掲示板、写真画面を搭載しているため、企業の他、教育施設や公共施設などでも幅広くご活用いただけます。
大型ディスプレイでのPR以外にもLED表示盤や専用のWebページの導入も対応可能です。