自家消費型の出力制御システム
電力需要に合わせて、
発電電力を追従制御
電力の消費が少ない休日でも、
消費が急激に減少する昼休みなどの時間帯でも、
逆潮流を抑制することができます。
自家消費型の課題を解決
逆潮流による発電停止
消費電力に対し発電過多になると、電力系統側へ電気が流れる「逆潮流」が発生します。逆潮流が発生すると、 RPR(逆電力継電器)が動作することによりPCSが停止し、発電がストップすることによる発電機会の損失となります。
RPR(逆電力継電器)とは
自家消費型の太陽光発電システムでは、系統へ発電電力を流せません。 そのため、逆潮流を防ぐためにRPR(逆電力継電器)の設置が必要となります。
もしも、逆潮流が発生しそうになった場合は、RPR(逆電力継電器)が動作して、PSC(パワーコンディショナ)が自動で停止させます。
可能設置容量を最大限活用できない
逆潮流を防ぐために、最小の消費電力に合わせてパネルの数や設置容量を抑えなければならない必要があるため、 発電を最大限活かせずに発電機会を損失することになります。
例)物理的に100kW設置できる案件でも、逆潮流のリスクを考慮し50kWに抑えざるを得ない
逆潮流を抑制し、発電電力を最大化
消費電力の変動に適した出力制御をPCSを通じて行います。
消費と発電のバランスを保つことで逆潮流を可能な限り防ぎ、発電機会の損失を低減させます。 逆潮流の抑制を考慮しているため、設備容量を最大限活用できます。
出力制御システムの構成
Webブラウザの専用画面から制御設定を行い、現地の出力制御ユニットからPCSに対して制御命令を出力します。 ※アナログ・パルス計測の場合は、別途データロガーが必要です。
出力制御システムの特長
独自の制御ロジック【荷重等差制御】
消費出力と発電電力(PCS定格)の割合に応じて、設定した制御閾値を適用し発電電力を制御します。
逆潮流を防ぎつつ消費と発電のバランスが維持できるよう、以下の制御命令をPCSへ送信します。
・受電電力:アナログ[4-20mA]、RS485、パルスで計測 ※パルス計測の場合、演算で算出するため精度が劣ります。
※消費電力=受電電力+発電電力
※制御閾値はお客様にて設定可能
※制御はPCSとの通信によって行う
季節や時間変化に左右されない制御
時間軸ではなく消費電力と発電電力(PCS定格)の比率に応じて、段階的に設定した制御閾値が適用さます。
詳細に設定可能な出力制御パターン
② 消費電力/PCS定格の比率(1%刻みで登録可能)
③ ➁の比率の場合の消費電力の目安
④ 比率に応じた制御閾値
例)➃の場合、消費電力がPCSの定格の100%未満~80%以上を計測している間は、制御目標値(発電電力)を消費電力の-10kWの値に制御します。
発電ロスを最小限に
消費電力の予想外の落ち込みや、電力のブレをカバーすることができるため、 発電機会の損失を最小限に抑えます。
出力制御パターンの管理がシンプルに
消費電力の少ない休日などを想定し、複数の出力制御パターンを用意する手間がかかりません。
発電・制御状況を手軽に把握
計測端末で確認
現場で計測状況を確認する場合、一般的な計測端末ではノートPCと接続して確認する手間があります。
しかし、独自開発した弊社計測端末は、消費電力や発電電力の他、制御異常などの計測状況を内蔵モニタで素早く確認することができます。
PR画面で確認
計測端末からDVI出力させることで、表示ディスプレイに現在の制御状況を表示することが出来ます。
計測値や異常状況を表示させる画面の他、発電状況をグラフ表示する画面やユーザーが任意に設定した写真やお知らせ文章を表示することも可能です。
システムの導入例
某工場案件に出力制御システムを導入した際の制御推移をご紹介します。
・仕様:PCS容量 100kW(10kW×10台)
平日(稼働)
平日に工場がフル稼働した際に出力制御したデータ例です。
フル稼働時は、消費電力値が高いため、発電電力を制御することなく最大限活用できています。
平日(半稼働)
平日に工場が半稼働した際に出力制御したデータ例です。
半稼働時は、消費電力値が低く、発電電力が消費電力を超過してしまうため、発電電力の出力制御を行っています。
消費が下がる昼休みのタイミングでも、消費電力に合わせて最適な制御が行えています。
休日(工場休み)
休日で工場が休みの際に出力制御したデータ例です。
工場が稼働しない場合でも、低い消費電力値に合わせて出力を制御しています。