発電量シミュレーションを行う(標準ライセンス:標準モード)

I. はじめに

このチュートリアルは、一般的なシミュレーションテーマを題材として、HelioBase®の使用方法を紹介し、操作方法を習得することを目的とします。

※このチュートリアルは、HelioBase® ver.2.7.10.0に基づいて作成しています。画面や操作方法など、使用されているバージョンと異なることがあります。

II. シミュレーション内容

インテックス大阪の国際展示場の建物の屋根に5度程度の傾斜角のPVアレイを設置したい。

PVモジュールはJinko/JKM325M-60H、PCSはオムロンのKPV-A55-J4を使用した分散型とし、どの程度の容量が設置でき、どの程度の発電量が得られるかを影の影響を含めてシミュレーションしたい。 

Ⅲ. シミュレーションを行う

① HelioBase®を起動して下さい。もしくは、ファイルの「新規作成」メニューを実行して下さい。

1. ロケーションの設定

発電量シミュレーションを行う地点の緯度・経度と、発電量シミュレーションに使用する気象データを設定します。 

① 「ロケーション」タブを選択します。

1.1 緯度経度の設定

シミュレーションを行う地点の緯度・経度を設定します。

① Googleマップタブの検索文字列入力欄に「インテックス大阪」を入力し、「検索」ボタンをクリックします。Googleマップ検索

② Googleマップをドラッグして、下図の場所にマーカーの位置を調整して下さい。
Googleマップイメージ※取得される緯度・経度の位置は赤いマーカーの位置です。

③「緯度経度を取得」ボタンをクリックすると、赤いマーカー位置の緯度・経度が取得され、「太陽経路計算に使用する地点の緯度・経度」の値が変更されます。取得された緯度経度

④「イメージをキャプチャ」ボタンをクリックすると、表示されているGoogleマップのイメージがメモリー上にキャプチャされます。キャプチャされたイメージは3Dモデルタブを開いた時に地面テクスチャとして貼り付けられます。イメージをキャプチャ

1.2 気象データの選択

シミュレーションに使用する気象データを選択します。

① 「気象データ選択」欄の「緯度・経度に近いサイトを検索」ラジオボタンを選択して、「サイト検索」ボタンをクリックします。
サイト検索

②「太陽経路計算に使用する地点の緯度・経度」に気象データが、地点間の距離順にテーブル表示されます。気象データの行を選択して「選択行の気象データを選択」ボタンをクリックします。(ここでは、METPV-11の大阪の気象データを選択します。)
気象データテーブル

※ METPV-11とMETPV-3の両方の気象データがある場合、通常は、より新しいMETPV-11を使用します。また、METPV-11は平均年、多照年、寡照年の3種類のデータを選択することができます。

③ 気象データがデータベースからロードされ、「選択された気象データ」に表示されます。表示されるサイト名などが正しいか確認して下さい。
選択された気象データ
※ 気象データ名や緯度経度などと共に、最低気温、最高気温も表示されます。

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2. 使用するPVモジュールとPCSの候補選択

シミュレーションに使用するPVモジュールとPCSの候補を選択します。複数の候補を選択することができます。

① 「PVモジュール・PCS候補」タブを選択します。

2.1 使用するPVモジュール候補の選択

① PVモジュールの「メーカー」リストボックスから「Jinko」を選択します。

② PVモジュールのテーブルから「JKM325M-60H」の行を選択して、行をダブルクリックすると、PVモジュールの「モジュール形式」リストボックスが「JKM325M-60H」に選択変更されます。

③ PVモジュールの「追加→」ボタンをクリックします。

④「使用するPVモジュール」欄にPVモジュールが追加されます。使用するPVモジュール候補

2.2 使用するPCS候補の選択

① PCSの「メーカー」リストボックスから「オムロン」を選択します。

② PCSのテーブルから「KPV-A55-J4」の行を選択して、行をダブルクリックすると、PCSの「ID」リストボックスが「KPV-A55-J4」に選択変更されます。

③ PCSの「追加→」ボタンをクリックします。

④「使用するPCS」欄にPCSが追加されます。使用するPCS候補

3. PVストリング検討

PVストリングの直列数と並列数の検討を行います。PVモジュールやPCSの候補を複数選択している場合は、PVモジュールやPCSの組み合わせを変更して検討することができます。

① 「PVストリング検討」タブを選択します。

3.1 使用するPVモジュールとPCSの選択

① PVモジュール候補とPCS候補で追加したものが、使用するPVモジュール、使用するPCSに表示され、最初の項目が選択状態になっています。「JKM325M-60H / Jinko」「KPV-A55-J4 / オムロン」

    • 上段のテーブルには、PVモジュールの内容とPCSの内容が表示されます。
    • 中段のテーブルには、PVストリングの直列数の一覧が表示されます。

オレンジ色でハイライトされている直列数は選択すべきではありません。例えば、直列数11のPVストリング電圧Voc[V]の項目がオレンジ色でハイライトされ、*Over*486.188 と表示されていますが、これは、最低気温 -1.0℃の時に。Vocが486.188Vになり、PCSの最大入力電圧450Vを超えるという警告を示しています。

では、直列数10はどうでしょうか?オレンジ色の警告はありませんが、1番右側の限界最低気温が -7.721℃になっています。これは、PCSの最大入力電圧が何度の最低気温まで耐えられるかを示しています。大阪の気象データの最低気温は -1.0℃ですが、 -7.721℃まで余り余裕がないことがわかります。もう少し直列数を少なくした方が良さそうです。

    • 下段のテーブルには、中段で選択されている直列数の時の、PVストリングの並列数の一覧が表示されます。

この例では、直列数10の時の並列数の状態が表示されています。

並列数が増えるに従って、過積載率[%]が増加していることがわかります。過積載率は、STC条件である日射強度 1000W/m2において、PVモジュール定格がPCS定格をどの程度上回って超えるかを示しています。

PCS定格を超えた発電量は、PCSでピークカットされ無駄になりますが、より多くの発電量を得るには、130%~160%程度にするのが費用対効果が高い場合があります。HelioBase®は、シミュレーション計算でピークカット量が計算され、年間発電量に対する量や比率で把握することができます。

この例では、PCS「KPV-A55-J4」の入力回路数は4ですが、直列数10で並列数を4にすると、過積載率が236%にもなるため、並列数が4の時に適当な過積載率になるように直列数を減らした方が良さそうです。

PVストリング検討1

② 下図は、直列数を6、並列数4を選択したものです。

  • 過積載率は141.818%で、PCS「KPV-A55-J4」の入力回路数4を有効利用できるため適当な設定だと考えられます。

PVストリング検討2

 ③ 「PVストリング数保持」ボタンをクリックします。

  • 使用するPVモジュールとPCS、PVストリングの直列数と並列数がシステムに保持されます。
  • 他のタブから、PVストリング検討タブに戻った時に、保持された設定状態が再現され、設定内容が確認できます。

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4. シミュレーションモデルの構築

3Dモデル空間に、PVアレイや建物などをモデリングします。さらに、PVストリング設定を行います。

① 「3Dモデル」タブを選択します。

4.1 Googleマップイメージが地面テクスチャとして貼付けられます。

ロケーション設定でキャプチャしたイメージが3Dモデルタブを開いた時に地面テクスチャとして貼り付けられます。この方法で貼り付けられた地面テクスチャは、キャプチャした時のイメージの外枠の緯度経度情報を元に自動的にスケーリングされます。3Dモデル1

4.2 3Dモデルのビューイングの方法

上図の赤線で囲んだ領域が3Dモデル表示エリアで、ここに全てのモデルが3次元で表示されます。モデル表示の視点を変更する操作であるビューイングを行うには、先ず、この3Dモデル表示エリアをクリックしてフォーカスを移すことが必要です。

  • ズーム
    1. マウスホイールで、マウス位置を中心にズームアップダウンできます。
    2. マウスの左ボタンと右ボタンの両方を同時に押しながら画面の上下方向にドラッグすることでもズームアップダウンできます。
  • パン
    1. マウスの左ボタンを押しながらドラッグすることで、視点を上下左右に移動できます。
  • チルト
    1. マウスの右ボタンを押しながらドラッグすることで、視点を3次元方向に回転できます。
    • 上下方向のドラッグでX軸回りに視点が回転します。
    • 左右方向のドラッグでY軸回りに視点が回転します。
    • 3Dモデル表示エリアの外周部のドラッグでZ軸回りに視点が回転します。
  • ズーミングを初期状態に戻す
    1. キーボードの「F8」を押す
    2. ビューイングツールバーの「標準ビュー/平面」コマンドをクリックする3Dモデル2

4.3 PVアレイの配置検討

 上図の赤のマーカーがある建物の屋根に5度程度の浅い傾斜角のPVアレイを配置することを考えていますが、建物の長辺は、東西方向から少し傾いているため、この建物の長辺に沿った平面角度でPVアレイを配置しようと考えています。

建物の長辺の角度を測定するため、3Dコマンドツールバーの「点列測定」コマンドをクリックします。次のコマンドガイダンスが表示されます。3Dモデル3

下図の赤丸の中の赤点の、建物の長辺の位置を2箇所ピックします。3Dモデル4

3Dモデル表示エリアの左のテーブルに測定点の値が表示され、ピックされた2点距離(建物の長辺長さ)が117mほどあることがわかります。

3Dモデル5

テーブルを右端にスクロールさせると、Ang(XY)という項目にピックされた2点の平面角度が表示され、10.83度であることがわかります。

3Dモデル6

クリップボードにコピーして終了ボタンをクリックすると、測定テーブルの内容がタブ区切りの文字列としてクリップボードにコピーされます。Excelなどに貼り付けて、値を利用することができます。3Dモデル6

4.4 PVアレイの配置エリアを示す境界線の定義

 建物の長辺の長さが117mあり、平面角度が10.83度であることがわかりましたが、広い屋根なので、どれくらいPVアレイが配置できるか見当がつきません。そこで、PVアレイの配置エリアを示す境界線を定義して、そこにPVアレイを自動配置する方法をとることとします。

3Dコマンドツールバーの「境界線定義(ピック)」コマンドをクリックします。次のコマンドガイダンスが表示されます。3Dモデル6

境界を示す4つの点を順にピックした後、緑の「実行」ボタンをクリックします。最後にピックした点は最初にピックした点と接続され、閉図形の境界線が生成されます。3Dモデル7

生成された境界線が青い線で表示されます。3Dモデル9

4.5 PVアレイを境界線を指定して自動配置

3Dモデル表示エリアの左の「PVアレイ配置」タブを選択します。 

  • PVストリング検討で設定した「使用するPVモジュール」、「使用するPCS」が選択されていることを確認します。
  • PVアレイパラメータを下記のように設定します
    1. PVモジュール回転  横置き
    2. 列数 6
    3. 段数 4
    4. 傾斜角度 5
    5. 列間スキ 10
    6. 段間スキ 10
    7. 下端高さ 800
  • PVアレイ配置パラメータを下記のように設定します
    1. 配置平面角度 11  ← 測定した角度の10.83度を丸めて11度とします
    2. 左右スキ距離  100
  • PVアレイの前後のスキ距離の初期値を求めるため「影倍率から計算」ボタンをクリックします。

3Dモデル7

  • 前後スキ距離のテキストボックスに、698.13と計算結果が表示されます。

「影倍率から計算」は、上記で設定した「PVアレイパラメータ」、「PVアレイ配置パラメータ」の条件で、冬至の日の10時から14時にアレイ間で影がかからないアレイ間隔が計算されて、前後スキ距離のテキストボックスに表示されます。(「影がかからないアレイ間隔の計算日と時間範囲」は、ヘルプ→環境設定で設定変更が可能です)

この影倍率によりアレイの前後距離を決定する考え方は、2010年の”NEDO 太陽光発電フィールドテスト事業に関するガイドライン「設計施工・システム編」”で、「発電量への影響を無視できるレベルにするには、冬至の9時から15時での影の長さを考慮してアレイの前後間隔を決定することが一般的です。」の記述からきていますが、アレイ前後間隔をこれより狭めた場合にどの程度、発電電力量減少があるかは全く触れられていません。

あくまで、アレイの前後距離は年間の発電電力量の減少の度合いにより把握すべきであり、影の影響を把握するには、3次元モデルに基づいた幾何学計算が必須です。

  • PVアレイの前後のスキ距離698.13を狭めて、400に変更します。
  • 3Dモデル11
  • 「PVアレイ配置(境界線指示)」ボタンをクリックします。
  • 境界線の内側の領域をピックして「設定」ボタンをクリックします。3Dモデル12
  • PVアレイが生成されます。3Dモデル133Dモデル14
  • 境界線の領域に、4段6列、傾斜角5度のPVアレイが、東西方向10、南北方向5の合計50台配置できました。

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4.6 PVストリング設定

4段6列のPVアレイが合計40台配置されました。ここでは、全てのPVアレイのPVストリング設定を行って、全てのPVアレイのシミュレーション計算をするのではなく、代表的な位置の1台のPVアレイだけにPVストリング設定を行い、後述の構成ツリーの設定でそれを50倍に倍数倍する手法を取ることとします。

3Dモデル表示エリアの左の「PVストリング」タブを選択します。 

  • PVストリング検討で設定した「直列PVモジュール数」が表示されていることを確認します。
  • 「PVストリング設定(PVアレイ)」ボタンをクリックします。3Dモデル15
  • 次のコマンドガイダンスが表示されます。「列方向接続」のドロップダウンリストを選択し、中央2列目のPVアレイをピックして、「実行」ボタンをクリックします。3Dモデル16
  • テーブルに設定されたPVストリングが表示されます。
  • 「列方向接続」を指定したので、同一PVアレイの列方向(水平方向)に接続されています。
  • ここでは、ID1からID4までの4つのPVストリングが設定されました。3Dモデル18
  • 「PVストリング」タブが選択されている時に、3Dモデル表示エリアのPVストリングに属するPVモジュールはテーブル行の色と同じ色で表示されます。
  • 3Dモデル表示エリアで、PVモジュールをロングクリックすると、PVモジュール名やPVストリングIDなどが表示されます。(クリック中に移動してしまうとドラッグと判断されますので、移動しないように注意が必要です)3Dモデル17

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5.構成ツリーの設定

構成ツリーは、シミュレーション計算の構成を表現するCalcUnitを複数保持できます。CalcUnitには、設定用のCalcUnitと計算結果を保持するCalcUnitがあります。緑色のアイコンが付いたCalcUnitは設定用で、黄色のアイコンが付いたCalcUnitは計算結果を保持したものです。

PVストリングやPCSなどの機器は1つのノードとしてCalcUnitの下に木構造で保持されます。特殊なノードとして、CalcUnitの直下にOptionノードとParamsノードが自動生成されます。
シミュレーション計算は、PVアレイなどのモデルオブジェクトや、PVストリング設定は、計算時点での3Dモデルの状態に基づいて行われ、計算結果用のCalcUnitが生成され、そこに保持されます。そのため、3Dモデルの状態を変化させながら、複数のシミュレーション計算を求めていく事ができます。

HelioBase®のシミュレーション計算で最低限必要なノードは、PVストリングとPCSですが、ケーブルや変圧器など様々な機器を含む電気的な位相と等価な構成を、自由に表現することができます。最上位のCalcUnitは系統側との連携点に相当します。
ある時刻における1つのノードの計算は、全ての下位ノードからの入力を受け入れて、ノードにおける制限がチェックされ、効率・損失が計算され、その結果を上位ノードに出力します。仮想的なノードであるグループノードは、下位の入力を倍数倍して上位ノードに出力する働きをします。グループノードを利用すれば、単純化されたモデルを倍数倍して、多様なサイトを単純化した表現で作ることが可能になります。

① 「構成ツリー」タブを選択します。

5.1 構成ツリーにPCSを追加して、そのPCSの下に4つのPVストリングを追加します。

構成ツリーでCalcUnitが選択されている状態で、PCSが「KPV-A55-J4/オムロン」が選択されている状態で、PCSの「追加」ボタンをクリックします。(ここで選択されているPCSはPVストリング検討で保持させたものです)構成ツリー1

構成ツリーのCalcUnitの直下にPCSが追加されます。
構成ツリー2

構成ツリーで、追加したPCSが選択されている状態で、4つのPVストリングをそれぞれ選択して、PVストリングの「追加」ボタンをクリックしてPCSの直下に追加します。
(4つのPVストリングを、キーボードのシフトキーを押しながらまとめて選択して、一度にPCS直下に追加することもできます)
構成ツリー3

CalcUnitの下にPCSと、さらにその下に4つのPVストリングが追加されました。
構成ツリー4

5.2 設定したPCSと4つのPVストリングの構成を50倍するグループ設定を行います。

構成ツリーでPCSが選択されている状態で、「グループ挿入」ボタンをクリックします。
構成ツリー2

PCSの上位にGroupが挿入されました。
構成ツリー3

Groupを選択すると構成ツリーの下に、プロパティのタブが表示されます。
Groupの数量設定に50を入力して「設定」ボタンをクリックします。構成ツリー4

構成ツリーのGroupノードに数量設定した[50x]が表示されました。構成ツリー5

5.3 CalcUnit全体でのシステムの容量を確認しましょう。

構成ツリーのCalcUnitノードを選択して、構成ツリーの下部にある「プロパティ」タブをクリックすると下記のようにCalcUnit全体のサマリーが表示されます。
PVストリング検討では、5.5kWのPCSに6直列4並列の24枚のPVモジュールを接続して、過積載率141.818%としましたが、その通りになっているのが確認できます。
また、その5.5kWのPCSの構成が50倍されて、PCS出力容量合計が275kWになっているのも確認できます。構成ツリー6

5.4 オプション設定を行って、影の影響を考慮したシミュレーション計算を行います。

構成ツリーのOptionノードを選択します。構成ツリー7

「Option」タブが開き「PVストリング出力電力量計算方式」タブが表示されます。

計算方式は「JIS C8907パラメータ方式」で行いますので、このタブの内容はそのままで、「計算範囲」タブをクリックします。
構成ツリー8

「計算範囲」タブが表示されます。

影計算を「影比率分は、散乱日射量を適用」を選択して、影チェック点数に4を選択して、「更新」ボタンをクリックします。

構成ツリー9

「CalcUnit」タブをクリックして、CalcUnit名に「インテックス大阪」と入力して「設定」ボタンをクリックしてCalcUnitのコメント設定を行います。

構成ツリー10

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6.シミュレーション計算の実行と計算結果の確認

6.1 シミュレーション計算の実行

構成ツリーで計算するCalcUnitを選択して「計算実行」ボタンをクリックして、シミュレーション計算を実行します。

構成ツリー10

シミュレーション計算が実行されます。(計算中に「キャンセル」ボタンをクリックすることで、計算を中止することができます。)構成ツリー11

計算が終了すると構成ツリーに黄色いアイコンの計算結果の黄色いアイコンのCalcUnitノードが追加され、下図のような表示に変わります。構成ツリー12

6.2 計算結果の確認

構成ツリーの計算結果を示す黄色いアイコンのCalcUnitノードをピックして選択し、右側の表示エリアの「結果サマリー」タブをクリックします。

計算結果のサマリーが表示されます。年間の総合出力電力量388,925.47[kWh]は、CalcUnitの最上位で連携点に出力される電力量を示し、ここでは50台のPCSの出力となります。

PCSピークカット損失量[kWh]やPCSピークカット損失率[%]の項目で、ピークカットがどの程度あるか把握できます。この例では、PCSピークカット損失率は年間で0.01%でほとんど影響のないことがわかります。

影計算を「影計算をしない」以外に設定して、影の影響を考慮した計算では、同時に、影の影響なしの計算も行われ、1度の計算で影の影響による総合出力発電量[kWh]と出力減少率[%]を求めることができます。
この例では、影の影響を考慮した総合出力電力量の年合計は388,925.47[kWh]で、影影響なし総合出力発電量の年合計は389,747.21[kWh]と計算されています。影の影響による出力減少率は年間で0.21%で、アレイの前後距離を400としてもほとんど影響のないことが確認できます。
構成ツリー16

6.3 構成ツリーに表示される警告について

今までの計算を行って、構成ツリーは次のようになりました。結果CalcUnitのPCSノードの前に黄色い警告マークのアイコンが表示されています。警告マークが表示されているノードをクリックすると、ウィンドウの最下行のステータス行に、警告内容が表示されます。この例では、「定格容量*出力制限比率*出力係数を超えている」と表示され、PCSのピークカットが発生していることを示しています。警告マークが表示されたときは必ず内容確認を行って下さい。
構成ツリー17

6.4 Excelレポートの出力

構成ツリーの、結果CalcUnitノードをクリックすると、その計算結果の結果サマリーが表示されます。この時に、ファイルメニューの「Excelレポート出力」をクリックするとExcelレポートが生成され、Excelが起動されてレポートが表示されます。
構成ツリー18

構成ツリー19

6.5 PVXファイルの保存

ファイルメニューの「名前を付けて保存」をクリックすると、PVXという拡張子のファイルに内容が保存されます。必要に応じて任意の時点でPVXファイルに保存するようにして下さい。
構成ツリー20

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