I. レイアウトモードについて
レイアウトモードはロケーションタブ、レイアウトタブ、DB編集タブでの3種類のタブで構成されています。
そのうちロケーションタブとDB編集タブに関しては、標準版と共通となっています。
なお、レイアウトモードではDB編集タブで編集可能な項目は「メーカー」「PVモジュール」「セル依存パラメータテーブル」のみとなっております。
ロケーションタブの操作方法についてはこちらをご参照ください。
DB編集タブの操作方法についてはこちらをご参照ください
II. 主な機能
レイアウトタブで行うことのできる主要な項目は、
- 使用するPVモジュールの選択、PVアレイの配置
- 計算パラメータの設定と計算開始
- 計算結果の確認
です。
下図赤枠のタブを切り替えることにより各機能を操作できます。
Ⅲ. PVアレイ配置タブ
1. PVモジュールの選定
太陽光発電シミュレーションに使用するPVモジュールを選定します。
下図赤枠のリストで選定を実施します。
1. 使用するPVモジュールのメーカーを選択すると、メーカーに登録されたPVモジュールがモジュール形式にリストアップされます。
2. モジュール型式を選択し、使用するPVモジュールを選択します。
2. コマンド
2Dモデルエリアに何らかの操作を行う場合、2Dモデル操作アイコンと2Dモデルエリアの間の領域に、”コマンド”が表示されます。コマンドには2Dモデルを操作するにあたり、設定すべき項目や、次に実行するべきアクションの指示、実行ボタン、キャンセルボタンなどが表示されます。コマンドは、該当の操作が完了したり、キャンセルされると、表示されなくなります。
図は、「境界線定義(ピック)」アイコンをクリックし、コマンドが表示されたところです。
3. パン/ズーム
マウス操作によりパン、ズーム操作が行えます。
ドラッグ・・・パン表示
マウスのホイールを回転・・・ズームイン・ズームアウト
また「ズーム初期化」ボタンを押すと、配置したモデルすべてが表示されるようにズームインもしくはズームアウトします。キーボードのF8キーを押しても同じです。
4. 地面テクスチャの配置
2Dモデルエリアに、Googleマップ画像または、画像ファイルをテクスチャとして貼り付けることができます。貼り付けられたテクスチャは、発電量計算には影響を及ぼしません。
テクスチャは、2Dモデルエリア上部のコマンドにある、「テクスチャ」アイコンをクリックして表示されるメニューによって操作することができます。以下に各メニューを説明します。
- 地面テクスチャ/テクスチャファイル読み込み:独自で用意した画像ファイルをテクスチャとして読み込むことができます。対応ファイル形式は、.gif、.jpg、.jpeg、.tif、.tiff、.png、.bmpです。
- 地面テクスチャ/テクスチャイメージの貼り付け :スクリーンショットなどクリップボードに画像がコピーされている場合、テクスチャとして貼り付けが実行されます。
- 地面テクスチャ/スケール設定(2点ピック):読み込まれたテクスチャのスケールを距離の明確な2点をピックすることで設定します。
- 地面テクスチャ/スケール設定(ピクセル-距離) :読み込まれたテクスチャのスケールをピクセルあたりの距離を入力することによって設定します。
- 地面テクスチャ/原点設定:読み込まれたテクスチャで、原点に設定したい点をピックすることによって原点を設定します。
- 地面テクスチャ/回転(2点ピック):ピックした2点を結ぶ直線から設定した角度分、原点を中心にテクスチャを回転します。
- 地面テクスチャ/削除:読み込まれたテクスチャを削除します。
Googleマップ画像の貼り付け
テクスチャは、画像ファイルを読み込む方法のほかに、「ロケーション」タブのGoogleマップをキャプチャする方法もあります。
「ロケーション」タブを表示し、Googleマップタブの「イメージをキャプチャ」ボタンを押します。
「レイアウト」タブを表示すると、2Dモデルエリアに先ほどキャプチャしたGoogleマップ画像が表示されています。
また、キャプチャ画像は縮尺が自動調整された状態で、配置されます。
5. 境界線の配置
境界線は、PVアレイの配置エリアとして使用します。
以下に、2Dモデルエリアに境界線を配置/削除する方法を説明します。
境界線を配置/削除するには、左図の「境界線定義(ピック)」アイコンと「境界線削除」アイコンを使用します。
「境界線定義(ピック)」アイコンをクリックすると、境界線定義(ピック)コマンドが表示されます。
2Dモデルエリアで境界線の頂点を順次ピックすることによって、境界線が描画されていきます。
始点を終点を結線したい場合は、Enterキーを押すか、実行ボタン(境界線定義(ピック)コマンド内の緑色のボタン)を押してください。
ピック中にBackspaceキーを押すと直近の頂点が削除されます。ピックのやり直し等に使用してください。
「境界線削除」ボタンを押すと、コマンドが表示されます。消去したい境界線の内側をピックすると、境界線が青⇒赤に変わります。この状態で、実行ボタンを押すと境界線が消去されます。
6. PVアレイの配置
2Dモデルエリアに、PVアレイを配置する方法を説明します。
6-1. PVアレイの配置準備
1. 使用するPVモジュールのメーカーを選択:メーカーを選択すると、メーカーに登録されたPVモジュールがモジュール形式にリストアップされます。
2. 使用するPVモジュールを選択:モジュール型式を選択し、使用するPVモジュールを選択します。
3. PVアレイパラメータを設定:「PVアレイパラメータ」エリアにて、縦置き/横置き、列数、列間スキ[mm]、段数、段間スキ[mm]、傾斜角度、下端高さを設定します。
4. PVモジュール設置方式を設定:PVモジュールの設置方式を「架台設置形」、「屋根置き形」、「屋根材形(裏面通風)」から選択します。
5. PVアレイ配置パラメータを設定:「PVアレイ配置パラメータ」エリアにて、配置平面角度、左右スキ距離、前後スキ距離を設定します。
「影倍率から計算」ボタンを押すと、冬至の10:00~14:00において、前後のアレイの影がかからない距離を計算し、前後スキ距離を設定します。
6-2. PVアレイ配置(境界線指示)
「PVアレイ配置(境界線指示)」ボタンを押すと、コマンドが表示されます。(2Dモデルエリアに境界線が配置されている必要があります。)
外周オフセット量を設定すると、境界線を中心に設定[mm]分のオフセット領域が設定されます。境界線の太さが設定[mm]となるイメージです。
はみ出しアレイ数を設定すると、境界線と交差するPVアレイを含め、設定個数分境界線よりはみ出して配置されます。左図は、はみ出し数を1に設定し、PVアレイ配置(境界線指示)を実行したものです。
境界線内に敷き詰めるPVアレイの、最大PVアレイ数もしくは最大システム容量を指定することもできます。コマンド内のコンボボックスで「最大PVアレイ数」もしくは「最大システム容量[kW]」を選択し、右側に最大PVアレイ数もしくは最大システム容量を入力します。
コマンドにある設定項目を設定し、境界線内をピックすると、PVアレイが境界線内に敷き詰められます。
6-3. PVアレイ配置(位置指定)
「PVアレイ配置(位置指定)」ボタンを押すと、コマンドが表示されます。
左右アレイ数と前後アレイ数を指定すると、複数のアレイを整列させて配置させることができます。左図は、左右アレイ数を4、前後アレイ数を5に設定し、PVアレイ配置(位置指定)を実行したものです。
コマンドにある設定項目を設定し、配置点をピックすると、PVアレイが配置されます。この時、配置の基点はPVアレイ配置平面の重心です。配置PVアレイが1つならば、PVアレイ平面の中心、配置PVアレイが複数ならば、整列したPVアレイ配置平面の重心点となります。
6-4. PVアレイの選択
配置したPVアレイを選択するには、「オブジェクト/PVアレイ選択」もしくは、「PVアレイ選択(境界線)」を使用します。
「オブジェクト/PVアレイ選択」ボタンを押すと、コマンドが表示され、PVアレイをピックすると、PVアレイが赤色に変化します。
コマンドで表示されている状態で、Shiftキーを押しながら、他のPVアレイを選択すると、複数選択ができます。
左図は、複数選択を実行した状態です。
6-5. PVアレイの削除
2Dモデルエリアに配置したPVアレイを削除する方法として、「PVアレイ削除(境界線)」、「PVアレイ削除(全て)」と「選択オブジェクトの削除」があります。
「PVアレイ削除(境界線)」ボタンを押すと、コマンドが表示され、PVアレイが配置された境界線内をピックすると、その境界線内のPVアレイは全て削除されます。
「PVアレイ削除(全て)」ボタンを押すと、コマンドが表示され、実行ボタンを押すと、2Dモデルエリアに配置されたPVアレイは全て削除されます。
PVアレイが1台もしくは複数台選択された状態で、「選択オブジェクトの削除」ボタンを押すとコマンドが表示され、実行ボタンを 押すと、選択されているPVアレイが削除されます。
Ⅳ. 計算タブ
レイアウトモードでは 「JIS C8907 パラメータ方式」を使用して発電電力量の算出を行います。
パラメータ選択欄では、発電量計算に考慮する各種パラメータを指定できます。
指定可能なパラメータは以下の通りです。
項目 | 説明 |
---|---|
計算名称 | 計算に名称を付けることができます。 Excel 形式のレポートファイル上にタイトルとして表示されます。 |
日射量年変動補正係数 Khd | JIS C8907では、0.97が推奨されています。 |
アレイ回路補正係数 Kpa | JIS C8907では、0.97が推奨されています。 |
アレイ付加整合性補正係数 Kpm | JIS C8907では、以下の値が推奨されています。 連系形:0.94 独立形:0.89 0.91(日射に追従した負荷だけを持つ場合) |
パワーコンディショナ効率 | 発電量シミュレーションで使用するパワーコンディショナーの出力電力効率を表します。 |
影計算では、発電量計算に影を考慮する方法を以下から選択します。
- 影計算をしない
- 影なら、散乱日射量を適用
- 影なら、日射量は0とする
- 影比率分は、散乱日射量を適用
- 影比率分は、日射量は0とする
以下に、それぞれの方法を説明します。
影計算をしない
発電量計算に影の影響を考慮しません。
影なら、散乱日射量を適用
影と判定されたPVモジュールは散乱日射のみを受けるものとし、発電量計算を行います。影チェック点数で設定した点数で検出した影比率が、影判定比率で設定した比率を超えていれば、そのモジュールは影と判定します。影チェック点数が大きければ詳細な影判定が行えますが、計算時間も増加します。影チェック点数は4点が推奨です。
影なら、日射量は0とする
影と判定されたPVモジュールは日射を受けないものとし、発電量計算を行います。影チェック点数で設定した点数で検出した影比率が、影判定比率で設定した比率を超えていれば、そのモジュールは影と判定します。影チェック点数が大きければ詳細な影判定が行えますが、計算時間も増加します。影チェック点数は4点が推奨です。
影比率分は、散乱日射量を適用
影チェック点で設定した点数で検出した影比率分を散乱日射として日射量を算出し、発電量計算を行います。影チェック点数が大きければ詳細な影判定が行えますが、計算時間も増加します。影チェック点数は4点が推奨です。
影比率分は、日射量は0とする
影チェック点で設定した点数で検出した影比率分を日射なしとして、発電量計算を行います。影チェック点数が大きければ詳細な影判定が行えますが、計算時間も増加します。影チェック点数は4点が推奨です。
計算の実行
計算オプションの設定を完了させると、計算を実行します。「計算実行ボタン」を押してください。
計算中は、「計算中です」と表示されます。計算が終了もしくは「キャンセル」ボタンを押さない限り、HelioBase ®の操作はできません。
計算が完了すると自動的に「計算結果」タブが表示となります。また、HelioBase ®の操作もできるようになります。
Ⅴ. 計算結果タブ
発電量計算が完了すると、「計算結果タブ」が表示状態となります。
結果テーブルにて、各月ごとの発電電力量等の確認ができます。
各表示項目の内容は以下の通りです。
項目 | 説明 |
---|---|
PV面日射量[kWh] | 全PV面が受けた日射量 |
PV出力電力(DC)[kWh] | 全PVストリングの発電電力量 |
損失電力量[kWh] | 構成機器の損失電力量 |
系統受電電力量[kWh] | グリッドから受電した電力量 |
総合出力電力量[kWh] | 損失や負荷を考慮した出力電力量 |
システム効率[%] | 総合出力電力量をPV面日射量で除算した値の百分率 |
システム利用率[%] | 総合出力電力量をPVアレイの公称最大出力と1か月の積算時間との積で除算した値の百分率 |
等価システム運転時間[h/月] | 総合出力電力量をPVアレイの公称最大出力で除算した値 PVアレイが公称最大出力状態で連続稼働した場合、何時間で1か月分の発電電力量に達するかを示す |
等価システム運転時間[h/day] | 月単位の等価システム運転時間を各月の日数で除算した、1日当たりの等価システム運転時間 |
等価太陽日照時間[h/月] | PV面日射量をPVアレイの面積除算した値 標準状態(1.0kW/㎡)の日射強度で月積算PV面日射量を供給するのに必要な時間を示す |
システム出力係数[%] | 等価システム運転時間を等価太陽日照時間で除算した値の百分率 |
PV面日射強度[kWh/h] | PV面日射量をPVアレイ面積で除算した値 |
Ⅵ. Excelレポート出力
計算結果は、Excel形式のレポートとして出力することができます。出力されるレポートファイルは、Excelテンプレートに従って出力され、HelioBase®ではあらかじめ、英語版と日本語版の2種類のテンプレートが用意されています。
1. Excelレポートテンプレートの変更
メニューの「ヘルプ」⇒「環境設定」を選択すると、「環境設定」ダイアログが表示されます。「環境設定」ダイアログの「設定項目1」 タブ内「Excelレポートテンプレート」コンボボックスでテンプレートを選択することができます。
“HelioBaseReport_jp.xlt”が日本語テンプレート、”HelioBaseReport_en.xlt”が英語テンプレートです。テンプレートを更新した際は、必ず「更新」ボタンを押してください。
2. Excelレポート出力
「計算結果」タブにて、メニューの「ファイル」⇒「Excelレポート出力」を選択すると、出力処理が開始されます。
Excelレポート出力が完了すると、Excelレポートが表示されます。